1993年 新年
☆慰安婦の被害妄想訴える
☆無我夢中馬車道ならば馬任せ
☆税関通過腹に一物手の荷物
※休暇ふえ峡の水車は夜も廻る
☆思いやり心で裁く名奉行
☆道晋請困る師走の廻り道
☆ジングルベルだんだんテンポ速くなる |
1993年 7月
※肩張らず止むにやまれずなど云わぬ
☆何も彼も捨てて出直しやり直し
☆この羅漢にっちもさっちもゆかぬ顔
☆貧業の信用資本丸裸
☆青い空登る山岳せまりくる
☆血のにじむ思い重ねた金メダル
☆信仰の穴に落ちこみ浮き沈み |
1993年 2月
☆妻機嫌小春の干し場よく乾く
☆双葉より二世はやはり親を追う
☆今年まだ生きのびて聞く除夜の鐘
☆新春の夢を積荷のいのち船
☆人格を墨で奏でる書道展
※人の為と云うから嘘に決まってる
☆お互いに生きてる証し年賀状
|
1993年 8月
☆呼び捨ては止めよう孫の祖国論
☆昼寝する夢はいくさに突き当る
☆球体の何処かに火花飛んでいる
☆棚上げの北方領土下りて来ぬ
☆殺意なきむぞかり殺し褒め殺し
☆疑うて迷い信仰生き還る
※無駄骨の多い傘なら置いてくる |
1993年 3月
※戦えば傷つくばかり草になる
☆人々の額横皺バーコード
☆電柱の悲鳴聞こゆる虎落笛
☆残り火の消えなんとして燃えあがる
☆揃わせる夫婦の歩巾余生入り
☆祖父の背を洗えば見える生き残り
☆飛ぶことを許さぬ孔雀駅に住む |
1993年 9月
☆炎天の蟻の担ぎ屋よく稼ぐ
☆海見えるロビーに母は待っている
☆火砕流そして雨降り土石流
☆羊飼い向う岸から姫招く
☆いい夢は獏から喰われ落選す
☆胸を打つ名句の余韻まだ残る
※しゃくとりのここから先は戻り道 |
1993年 4月
☆達人はみんな我流で元祖です
☆合格を知った二人は抱き合い
☆跳びはねるラインダンスに見惚れてる
☆花嫁の島田がゆれるドンコ船
※人として耐える限度を越えて修羅
☆胸のバラ夢を叶えて席に就く
☆今ひとつ景色良くして総選挙 |
1993年 10月
☆題材は無限にあるという諧句
☆世の変わりただ見るばかり読むばかり
☆ご破産に願いますとの民の声
☆炎天の蟻のかつぎ屋から学ぶ
※地に生れ地に還りゆくその途中
☆風紋を踏めば自然に相済まぬ
☆新総理まなざし厳し使命感 |
1993年 5月
☆愛し合い支えあうから生き残る
☆いつまでも母は飽きない恋人よ
☆青春の思いは遠しカーキー色
☆上と下霞みでかくす神代の絵
☆つわ者の汗で黄ばんだ高良台
☆運転を理由に飲まぬ下戸の智恵
※雑草は雑草なりの花の色 |
1993年 11月
☆肩張らず腹に力を入れて出る
☆煙草消し木犀の香りに酔い痴れる
☆植木屋は根を大切にすると云う
☆ただの石とは違う層考古学
☆実らない反り身の稲穂空威張り
※人の世に長生きするも芸のうち
☆赤飯を猫にも与え喜寿祝う |
1993年 6月
☆廻る世に廻る忘れた風見鶏
☆弘法の投げた笹葉がエツになり
※肩の荷を少しおろして万歩計
☆長生きの顔が揃って慰霊祭
☆吉野ヶ里古代のロマン見え隠れ
☆勝馬の肩いきいきと索かれゆく
☆民族の血が血を洗ういがみ合い |
1993年 12月
☆海恋し山も恋人隠岐の島
※生きる世に人の笑顔は人生花
☆楽しみは熱気がむんむん窯開き
☆禿頭かくすベレーと旅に出る
☆火の女水の男が消しにゆく
☆おべっかは賄賂心と云うべかり
☆孫が来て嬉しい帰るのもうれし |