1986年 新年
☆その昔飢えの豊かさ隣組
☆スタミナの減りゆく滝に寒念仏
☆あらそいの境界線を虹またぐ
☆気に入らぬ風に風鈴すねた音
☆糸電話まごとに通じてねだられる
☆高い鼻つままれそうな自信もつ
☆蝋屋跡昔を語るはぜ紅葉 |
1986年 7月
☆ボタ山で仏法僧は愚痴こぼす
☆弦の糸ほどよく締めて音頭とる
☆ダイアナ妃微笑は京都の夕桜
☆妻連れて赤い夕日を拝む旅
☆新茶古茶似た者夫婦気にしない |
1986年 2月
☆人生の煮詰る師走時が過ぎ
☆裏工作済めば巨頭は演技する
☆生かされる必要性を神に聴く
☆核と飢え地球は終るかも知れぬ
☆バッテリーあがった女始動せず
☆火花散る日米摩擦冷やさねば
☆華やいだ家庭には居る孫自慢 |
1986年 8月
☆薄墨のソ満国境朝曇り
☆中国も軟硬席に客区別
☆ニーハオとトーシェおぼえ妻語る
☆歓迎の行く先ざきにウーロン茶
☆旅の席いつも隣りは妻のもの |
1986年 3月
☆小屋持ちの犬も城主ぞ座り吠え
☆石人の顔のっペらで墓守る
☆飽食の中流意識嘆き出し
☆人工見飽き自然の野を駆ける
☆理由なき反抗に遭い首捻る
☆高い鼻キッスの邪魔になるときも
☆生き甲斐の裏に死に甲斐三島の忌
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1986年 9月
☆団扇手に碁友のそりと裏戸から
☆乙女座のロマン占いランプの灯り
☆草むしり孫の遠征案じつつ
☆鼻先の人参追うて駄々走り
☆句を添えた書中見舞の情汲む |
1986年 4月
☆雑魚意識大魚の餌になる覚悟
☆脱皮した合せ神通力を脳に貯め
☆ほめ言葉出てこぬままに頭撫で
☆寒椿恋の手ほどき教示する |
1986年 10月
☆ペダル踏み苦難の坂に汗飛ばす
☆生き甲斐の目当て教える老講師
☆カマキリは人を恐れぬ闘志持つ
☆一流の筑紫次郎は月の川
☆終戦日娑婆の匂いに馴れ過ぎる |
1986年 5月
☆孫達の無邪気明るさうらやまし
☆彗星は一期一会の宙ロマン
☆不憫とは思いながらも捨て仔猫
☆旅の空友とストレス流し合う
☆言わでものことに口出し株下げる |
1986年 11月
☆飢餓の子に恵みを望む赤十字
☆宇宙への序曲奏でる丸い虹
☆出船入船男の呼吸活気づく
☆市民葬献花の菊は票を積む
☆青いそら心の虹が山超える |
1986年 6月
☆どんたくに繰り出す杓子のぼせもん
☆鯉のぼり大和男の子が天翔ける
☆サミットのロンヤスドル安まゝならぬ
☆蝶々を集めて網の中に花
☆老人は教訓好み桜散る |
1986年 12月
☆肩のこり心のこりは未だとれぬ
☆巣ごもりの為に多忙な蟻の列
☆赤くなる程に熟れてる惚れている
☆柔はよく剛を制して長寿国
☆思春期の声張り上げて泣いている |