1980年 新年
☆菊花展老人はずみ孫そっぽ
☆秋の雲機影を載せて従がいてくる
☆ガス局の次は水道道並請
☆もっともな言葉の槍が政府突く
☆人生変化許さぬ老いを生き |
1980年 7月
☆発言の機会失い会果てる
☆冗談の好きな古老の顔が好き
☆睦五郎引っ掛けられるとも知らず
☆出陣の有馬太鼓で宴始め
☆定年が延びて人材多すぎる |
1980年 2月
☆自転車に積んで初荷と勇み出る
☆中風を冬至南瓜で食い逃げる
☆割引に引き寄せられる人の波
☆折からの時雨傘屋に福が来る
※母親に頼らずにすむ子に育て
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1980年 8月
※生きるため月も地球も皆廻り
☆白足袋の白が瞳を射る茶席
☆鉄砲百合四方八方構え銃
☆のれんから背がはみ出す露天そば
☆草野球足ふんばって球を待つ
☆沈痛の悲報地球を翔けめぐる |
1980年 3月
☆湯加減は上々吉の浪花節
☆湯加減の答えとなって大くしゃみ
☆コマーシャルバレンタインのチョコレート
☆目の廻り墨で縁とるフラメンコ
☆富士は骨日本の骨として残る
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1980年 9月
☆遠花火人出も見ゆる渡り橋
☆トタン住まいした忘却の戦火記
☆水鏡ゆれてますます木の葉髪
☆鳳仙花めいて真っすぐ育つ孫
☆撒水の虹に突進祭りの子
☆サウナ風呂汗かくために金払い
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1980年 4月
☆人生の花道通る老いを生きる
※書き出しを丸めて捨てる筆不精
☆経験の祖母は梅酒で風邪治す
☆長寿者は医薬飲まずに自衛する
☆廃車積み事故車もあって雨が降る |
1980年 10月
※母のため涼しい夏がありがたい
☆ガラス窓サの字キの字を追うやもり
☆ボス猿の統率法を人もまね
☆梅雨戻りガンセンターの友見舞う
☆寿命延び若者負担増すばかり
☆甲子園の土持ち帰る初日組
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1980年 5月
☆幸福は情眠むさぼる老いの春
☆うすとぼけ袴さかさに土筆ン坊
☆仲人に手応え確かあの二人
☆猛犬と書いて門口堅い家
☆魚屋の匂い仔猫が知って鳴く |
1980年 11月
※トンネルを抜けると虹が待っていた
☆泣き笑い人生劇場みな主役
☆足腰を鍛えておこうペタル踏む
☆反骨の余生楽しく冗句吐く
☆聖像の佩剣盗られなお威厳
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1980年 6月
☆ステレオのお経聞かせて花供養
☆街騒に雀と小犬馴れ遊ぶ
☆突風が立て看板に会釈さす
☆春スキー熊笹の雪はねて飛ぶ
☆竹の花咲いて天変地異告げる
☆廻らない地球儀のようガスタンク |
1980年 12月
☆月を知り地球の良さを便りに知り
☆ボス猿は木の根を椅子として孤独
☆社長から亭主に戻り風呂を炊く
☆蓄えが出来ても同じ月賦ぐせ
☆紺の香とゴムの香がして着く久留米
☆放置車で廃棄車でない自転車 |