1997年 新年
☆言い馴れた火の名忘れおい貴様
☆大東亜共栄圏が生き還る
※人生の余白を埋める夢つづく
☆傘寿越え余白の出合い楽しみに
☆餅入れたスクヤキ会の牛供養
☆商いは牛のよだれのようなもの
☆電話先のうなずき笑う顔うかぶ |
1997年 7月
☆過去は過去未来指向の旅に出す
☆友偲び寝返る夢は椰子の島
※修行と申し無理する老いの意地
☆裏鬼門紅一点の白さつき
☆借金も財産のうち花は実に
☆なお生きて我慢比べの老夫婦
☆琉球の胡弓のひびく平和の音 |
1997年 2月
☆よぼよぼの牛齢重ね生き残る
※難題は先取りよりも先送り
☆小商い牛のよだれを見て習い
☆仰山に撒いた力士も怪我をする
☆減塩の味に馴らされ呆けてくる
☆着ぶくれて着こなしている妻達者
☆また来んのよかですもんの久留米弁
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1997年 8月
☆いつまでも若く元気とおだてられ
※弾むバネ内に秘めてる低姿勢
☆観音の水音高い作り滝
☆ブランコに泣いた娘の方が乗り
☆勢い水博多の男山笠かつぐ
☆火傷する覚悟で火の娘に触れてみる
☆浮き雲にいのちをのせて山越ゆる
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1997年 3月
☆幸せは風呂と布団の中にある
☆迷惑をかけ合いながら住んでいる
☆音高くまわしをたたく仕切り前
※風邪ばやりバトンタッチは遠慮する
☆杖も乗せ車椅子押すボランティア
☆風邪ひけば猫も遠のき近寄らず
☆被災報涙腺ゆるむ老いの日日
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1997年 9月
☆耐え難い世相にも馴れ暑にも耐え
☆ひい孫の第一号は女の子
☆敗戦日以来無口の人となる
☆歌唱力抜群少女鐘鳴らす
☆よく笑いよく喋る人から詩を貰う
☆訥弁に感銘するは誠実さ
☆生き残りさすがしぶとく生き残る |
1997年 4月
☆わが余生牛に食わせて出す涎
☆幸せは今が極楽振り返る
☆語尾あげた少女の会話他愛ない
☆人生は泣きと笑いの繰り返し
☆若さとは年令でない心意気
☆悔しさは失う事と負けること
☆大宰府の梅千本が誘う会 |
1997年 10月
☆縄文の生活の知恵小野田さん
☆般若面かたち鬼でも人ごころ
☆なだめても腹の虫には視野がない
☆踊りの輪炭坑節なら這入ろうか
☆遠ざかる記憶を語る戦争記
☆総会屋はびこる元は平和主義
☆応接間主人の趣味を知る書棚
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1997年 5月
☆花人の我は下戸です烏龍茶
☆ひそひその会話が洩れる春障子
☆苦労した母のまごころ花菜漬
※老木は空洞となり尚芽吹く
☆愛される花と笑顔を絵の中に
☆ベレー帽禿を隠して得意顔
☆ぼんやりとただぼんやりと四月馬鹿
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1997年 11月
☆鈴鳴らし猫は老婆の膝に乗る
※国の為死んでくれとはもう言えぬ
☆空砲で戦う姿自衛隊
☆なまぬるい風が家風をゆるくする
☆ミス一度すれば再起は出来かねる
☆底紅の木槿の花は日章旗
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1997年 6月
☆小回りの効かない者は落ちてゆく
☆老夫婦褒め合いながら喧嘩する
☆有難い孫の嫁よりマフラーを
☆私より貴方は先に死ねますか
☆碁仇が回覧板と上りこむ
☆思い込む寄らば大樹の蔭とやら
※失職の山の上から遠吠える |
1997年 12月
☆何も彼も世の中すべて縁起論
☆出発と到着同じ輪廻論
☆年輪に厚薄濃淡人生譜
☆せせらぎのリズムに合わせ万歩計
※ストレスが反抗心に化けている
☆日日好日妻の茶席は暖かい
☆老衰も自然の掟逆らわず |