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粋でいなせな下駄が好き!
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故 実好作
久留米市民川柳会 川柳孔雀より抜粋  
              ※印は孔雀推薦句
1994年       新年

☆日記果て余白にひそむ未来像
☆健康な素肌が魅力勝力士
※飼い主を逆指名した猫の声
☆投売りは感謝をこめた店仕舞い
☆黄昏の公園ベンチ老い一人
☆老春の犬の遠吠え初明り
☆厄年を躍年とする今朝の春
1994年       7月

☆やりすぎる君にはまたと頼まない
☆日めくりを楽しみ百日(ももか)子を祝う
☆鳥は飛び川は流れて山不動
☆倒木に芽吹く命をまた流す
☆天と地の境を消した梅雨曇り
☆綱引きの綱がきれたるハプニング
※おせっかいやくのが好きな人助け
1994年       2月

☆穏やかな顔が集り年わすれ
☆国会の風の色みる辻の声
☆戦友会揃い浴衣で飲みあかす
☆泡立草休耕田を攻めている
☆狛犬の唐三彩が年飾る
※ふるさとの詩は脳波をゆりおこす
☆なりゆきを待つ他は無し老いの春
1994年       8月

☆火を踏んで身を浄めるという修験
☆岸近く水母(くらげ)が浮いて星掴む
☆倒木の芽吹く命をまた流し
☆もう一人の自分になって句を作る
☆家紋額揚げて先祖に見張られる
※貫禄はじっと動かぬとき光る
☆向い風ペダルが重い老いの意地
1994年       3月

☆マスコミは天下国家をもてあそび
☆日本の金の成る木は枯れだした
☆また一人次回を前に鬼籍入り
☆押し売りを軽くいなしてさすが祖母
☆どくだみの貧しい匂いよい薬
※山一つ越えて二つ目高く見え
☆老いの趣味勝負嫌って句を作る
1994年       9月

☆雨乞いの花火を映す筑後川
※名所絵の要所の外は雲と水
☆血圧の高さ気になる蝉しぐれ
☆ひでり人事尽して雨を待つ
☆あらさがす検診嫌いまだ達者
☆天気晴朗今日一日の暑に耐える
☆老いふたり趣味それぞれに自慢もし
1994年       4月

☆好ましく老いたし孫の気嫌とる
☆老妻は昔脇役今主役
☆あの本は老化防止に書いた嘘
☆ガッツポーズ無いから好きな大相撲
☆自分史の真ん中に在るニューギニア
※忍耐はすべての扉開かせる
☆賞状を透して妻の顔浮かぶ
1994年      10月

☆あじさいの色が教える人生譜
☆舗装路の隙間見つけて草芽吹く
☆腰曲げて自転車を押す老いの坂
☆母子星またたき語り相通う
☆奥の院山の霊気に浄められ
※余生なお夢を積んでる夫婦舟
☆あの世との交流拠点盆の寺
1994年       5月

☆俎のくぼみに妻のくせを知る
☆庭の礼倒す土竜(もぐら)の仇討ち
☆つくばいに梅の花びら泳いでる
※予備校から教育の風吹いてくる
☆もう一人の自分みつけて句は作る
☆入社式明るい話題ない訓示
1994年      11月

☆願いごと星のまたたき諾(だく)とみる
☆彼女から読みが浅いと叱られる
※老いの燃え枯木の火勢一時的
☆虫の音のチンチロリンに欲捨てる
☆雷は怖いけれども雨欲しい
☆失敗を先生として成功へ
☆湯豆腐の柔い堅さがお気に入り
1994年       6月

☆背振嶺のレーダー見ゆる川流れ
☆墓標群整然として生きている
※楊貴妃が花芯に座る大牡丹
☆神の水わさび育てて村おこす
☆口止めをされた秘密をもてあまし
☆大いなる寝釈迦に沿ってひと巡り
☆結ばれたふたりでやっと一人前
1994年      12月

※年とった事に気がつく段の数
☆孝行が死語となりゆく世相みる
☆飽きの雲女ごころを掴みゆく
☆出稼ぎの息子が嫁を連れ戻る
☆逆光に撮った写体の隈が好き
☆老い深き貌が揃うて皆笑う
☆平凡の中に非凡を探し出す




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