1991年 新年
☆玉砕熟柿が濡らす石畳
☆秀吉は利休好みが気に障り
☆伝統の文化象徴高御座
☆金持ちの日本の正義まだ見せぬ
☆日本語のソ連衛星から届く
☆泊る見る食べる楽しむ買う旅路
☆アフリカの飢餓救援に余米出せ |
1991年 7月
☆春の風邪妻にやったりもらったり
☆見直せば何処も彼処も色違い
☆若草の山はふくれてまろやかに
☆何もかも話せる相手妻が居る
☆おもいきり萌える若草夢の彩
☆結論は出さぬが無難老いの知恵
☆災害地自然に勝てぬことを知り |
1991年 2月
☆結論は叱られてから考える
☆老醜の深さを知って語尾あげる
☆幽玄に吸いこまれてゆく神楽笛
☆納得のいかぬ押し付け覇権主義
☆凧あげる足は大地を駆けめぐる
☆人は城修羅には強い知恵を出す
☆師走とは人の世のこと浮寝鳥 |
1991年 8月
☆黄昏に染まる老生川流れ
☆生きている地球はいつか怒鳴り出す
※これ以上伸びを許さぬ今年竹
☆生き残る知恵を育て大黄河
☆騙されて性善説を切換える
☆大変だ大変宛の義援金
☆性別が解ってからの考古学 |
1991年 3月
☆去年今年貫く棒はどちら向く
☆托卵を神は罪にはなさらない
☆客年の生きざま描いて未完成
☆本番にもう出て光る七光り
☆聖戦と昔日本も云うていた
☆にやりよりにっこり笑う人がよい
☆近鉄は初天神にボール撒く |
1991年 9月
※急ぐこと無い老いの身に言い聞かす
☆熱帯夜掛布まとめて足枕
☆人目ひく孔雀の叫び団扇羽根
☆保護鳥になって横着カチ烏
☆雑草は火砕にめげず生き返り
☆慈悲心鳥バスに放置の園児死ぬ
☆あめんぼの水面競技ルール無し |
1991年 4月
☆ロボットの馬鹿正直に腹が立つ
☆放置車を無くしさわやか駅の前
☆三寒に四温を待って老い耐える
☆風と水流れる音の早春賦
※老人の誰もが軍事評論家
☆ふる里を憶う絵となり詞となる
☆蓑虫は揺れる天下を垣間見る |
1991年 10月
☆時の流れ自然うつろい色変える
☆信じねば薬も効かぬボケ防止
☆大楠の蔭の豊かさ有難さ
☆達人は見えぬものでも見えるとか
☆羽根ひろげ目立ちがり屋の孔雀吼ゆ
☆いちはやく災害見舞い両陛下
☆拙老の思いは常に平和の世 |
1991年 5月
☆頑張れとひとこと言えば百通ず
☆直情をオーラオーラと慰める
☆趣味だけに生産性の無い余生
☆共白髪とにもかくにも喜寿と古稀
☆蛇穴を笛の音を聞き躍リ出る
※OBの意地で主張は曲げられぬ
☆花いろいろな気弱いすみれ可愛いがり |
1991年 11月
☆阿蘇普賢マグマの通う脈破裂
☆肥満から逃げる娘はサウナ行き
☆あの世から指図を受ける彼岸花
☆松茸を持って羅漢は照れている
※大正の世代ロマンを夢二画く
☆守護霊が君のうしろに立っている
☆消息が絶えて噂が噂呼ぶ |
1991年 6月
☆大陸の鼓動がひそむ揚子江
☆日中友好外貨稼がし旅疲れ
☆段々の黄土耕し至る天
☆入社式新戦力が始動する
☆モトクロス上手になれば罪に落つ
☆戦国のスパイとらわれ舌を噛む
※あひるの子自由に育つ溝溜り |
1991年 12月
☆出た月は大きく丸い愛想よく
☆人間の角も風雪まるくする
☆風当たり丸いものには手をつけず
☆消息を断って噂が噂呼ぶ
☆郷土愛邪馬台国の高良説
☆折れるより曲がれと論す竹細工
☆放火され仕事を趣味の父怒る |