友好 作 (デビュー句)
1978年 中国訪問記 11月
※賽銭もチップもいらぬ旅でした
☆中国は富国強兵明治の代
☆宇宙から曲線長城のみが見え
☆昼の月南京大橋連れ渡る
☆豊作に雀も太り数も殖え |
1978年 中国訪問記 12月
☆赤トンボナイキ陣地をすーいすい
☆冠雪の富士が見えますスチュ−
ワーデス
☆運純根やっと無事故の賞を受け
※紅葉も恋の季節に燃え盛る
☆大豊作何故喜べぬ民悲し |
1979年 新年
※友情にお世辞は要らぬ持って行け
☆着ぶくれて太平楽を言う身分
☆師走スト今の先生走らない
☆菱形の杉木立着て山眠る
☆式場に神呼び寄せる神無月
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1979年 7月
※暴走の果ては地蔵の石となる
☆外れ券吹雪と散って財も散る
☆夢に出た秀句出てこぬもどかしさ
☆小廻りの効く一番は一輪車
☆平家谷源氏蛍の養殖地 |
1979年 2月
☆馬鹿でない証拠の風邪の鼻っ声
☆客ふえて賽銭ふえぬ不況年
※運試す五社のおみくじ皆違う
☆全方位外交花甘欄の様に咲き
☆初詣ここも臨時の駐車場
☆肩車すれば破魔矢の鈴の音 |
1979年 8月
※水打てば返す匂いの十字花
☆作られて今や魚菜にしゅんは無い
☆藁屋根にトタン冠せて天守閣
☆阿蘇の雨たちまち起こる雲の峰
☆海亀の産卵月を曇らせる |
1979年 3月
※木漏れ日を縫うて猟犬よく稼ぐ
☆石人の顔のっぺらに雨と風
☆負け達磨片目のままに荷造られ
☆みち足りた大人子供も何故自殺
☆価する男になれば適う恋
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1979年 9月
☆自動車の幽霊が出る日本坂
※はらわたの汚れ落として党を去る
☆冷酒は後で効く暑気払い
☆にんじんをエネルギーとし馬駆ける
☆青田守る丘の新墓傘かざす |
1979年 4月
☆番犬が居ても猫盗る棚の魚
☆冬から春へバトンタッチの雪が舞う
☆足で踏む自転車安全健康機
☆春風に口笛のせてペタル踏む
※手刀を切っていただく角力狂
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1979年 10月
※朝寝癖帰省の孫になおされる
☆丑の日のうなぎ災難原爆忌
☆骨無しの色無しくらげ浮き沈み
☆土手裏の筑水鵜匠七代目
☆ボスの鵜は並ぶ序列を取締る |
1979年 5月
※無我夢中だから訥弁良くわかる
☆干大根取り込む順は皺の数
☆沢庵の歯切れもよいと歯科を褒め
☆梅古木支える棒も朽ち果てる
☆海苔粗朶の竿にひらひら鴨おどし
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1979年 11月
☆犬散歩境内よごすから入れぬ
☆高良山徐々に雲脱ぎ明日は晴れ
☆あの月に行った人あり罰当たり
☆月の出を魚釣りながら待っている
☆バーべキュー煙に月の鼻うごく |
1979年 6月
☆見合いする相手茶を持つ障子影
※風呂場から廊下濡らして電話機とる
☆舌戦の末は淋しく口乾く
☆もの言わぬ素振りと涙ものを言う
☆反抗児口答えまで機関銃
☆卒業の答辞一番立派です
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1979年 12月
☆失意の子大器晩成冬椿
※留守番に釣瓶落としの日が暮れる
☆清掃夫並木落葉をもてあます
☆小春日は蓑虫天井から覗く
☆枯れ果てた松に絡んだ蔦紅葉
☆ごぶ漬にする大根を路地に干す |