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【友好 作】
久留米市民川柳会 川柳孔雀より抜粋  
              ※印は孔雀推薦句
1989年      新年

☆福寿草黄金を包む濃緑
☆筑紫路の高良の山とあがめられ
☆反省が無くて未来は語れない
☆ぼつぼつと没にくじけず続けよう
☆アイヌ悲話今宵これで終ります
☆アルバムがどんどんふえる孫五人
☆リクルート汚染に政府ゆるぎ出す
1989年      7月

☆バクの食う夢の漫画の面白く
☆落書きの似顔絵漫画ふくれ面
☆釣人を野次る葦切り追い払う
※鉄砲百合の悲鳴聞ゆる花鋏
☆職業は主婦と書いたが詩人です
☆あじさいの吐息の色は七変化
☆孫育ち自慢の種が一つ殖え
1989年      2月

☆頂上は曲がりくねった峰の道
☆老いの身の明日を信じて散歩する
☆亡き戦友に問いつ答えつお念仏
☆大物は図太く眉も動かさぬ
☆落伍することは終りと従いてゆく
☆山風は山の匂いを運びくる
※年金を袋に分けるお年玉
1989年      8月

☆内孫の口数減った反抗期
☆玉砕の島と知ってかハネムーン
☆分別の顔に成ったよあごの骨
☆父の日に父は何してよいのやら
☆天辺の椅子に座れば的になる
☆乾盃はサイダーにする休肝日
※止り木を自由に選ぶ一人旅
1989年      3月

☆自然美に似せる生花空が無い
☆老人の過去のいのちを讃え合う
☆盲僧の筑前琵琶の物語り
☆毒舌に堪え低音で諭し居り
☆向い風追い風よりも気持ち良い
☆ドア開けて声かけてくる人が居る
☆寝ころんで飛行機雲を追いかける
1989年      9月

☆アメリカの雨が日本の傘たたく
☆十字架の台座に登る人選び
☆逆風に失速しそう機首さがる
☆裾まくる田植女の天下取り
☆職名は主婦と書いたが詩人です
☆源流太鼓腹にずしりの撥さばき
☆たこ焼にたこが見えない子の不満
1989年      4月

☆雨しとど大喪の礼天も泣く
☆昭和ゆく葬儀場殿に涙雨
☆春一番政争もやもや吹き飛ばせ
※ビルラッシュ次第に空を狭くする
☆うっ憤を吐き出すように阿蘇十勝
☆元号が航路を変える日本丸
☆餓死ならば散る花ならず散る枯葉
1989年     10月

☆長崎の鐘の音遠く原爆忌
☆負けて泣き勝って泣くのも甲子園
☆五十回忌の父へ悠々雲流れ
☆目標へ気ばかりあせり空廻り
☆父逝ったあの日北支は暑かった
☆お茶の間の政治談義に孫も寄り
☆二十一世紀生き抜く孫に戦争記
1989年      5月

☆新たなる出遇いふれあい入学す
☆春の雷天霊地気の通い合い
☆春の雨美女彫像の乳しずく
☆老い愉し時代の流れ見てくらす
☆稲妻に打たれ魔法も解けてくる
☆思春期の精一杯に飾りたい
☆何も彼も春一番よ吹きとばせ
1989年     11月

※蚊を叩く妻の心が見えてくる
☆黙祷の祈りにしみる蝉の声
☆遠雷の時差に安堵の孫の守り
☆凍る星宇宙の神秘ますばかり
☆野仏は虫の念仏聞いている
☆負け力士砂も払わず去る土俵
☆愛と夢そして丸山豊さん
1989年      6月

☆百年の祝い太鼓でしめる式始め
☆会えば泣く悲し嬉しの過去がある
☆無我夢中の道さがしてる酔っている
☆シャボン玉飛びそこなっている滴
☆離陸したときに始まる旅日記
※孫の手が頼りとなった山歩き
☆春おぼろ眠気さましのお茶すする
1989年     12月

☆夫婦茶碗嫁が大きい方使う
☆少しずつ長く愛してもらいたい
☆夢を追う余分が呆けを防止する
※父親の拳固に余力情あり
☆錠剤をこんなに貯めて逝き給う
☆木守柿烏のいたずらやめさせる
☆うっ憤を吐き出す阿蘇は灰だらけ
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