1988年 新年
☆休肝日三日続いて医者褒める
☆盆栽に老の人権かゝりきり
☆キー叩きそのまま二十一世紀
☆りんどうの花は一斉揃い踏み
☆健やかに老いる人生万歩計
☆テロのプロ日本赤軍ナゾの謎
☆過去に生きその生きざまを語る会
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1988年 7月
☆宝くじ没と決まって夢さめる
☆人目さけ老兵歩調練りなおし
☆モラロジ-体験談のリハーサル
☆靖国に安らぐ戦友は動かない
☆食道に押しこみあとは神委せ
☆救急車用の玄関開けて待つ
☆サングラスかけ目立ちたいお年頃 |
1988年 2月
☆カン高い母の声には答えない
☆のろま児の大器晩成四十から
☆福寿草老いの孤愁を慰める
☆たっぷりと変化楽しむ大正っ子
☆廻りきて明治戊辰の年還る
☆ぐっとくる義理人情の江戸噺
☆母の味母が好んだ土鍋から |
1988年 8月
☆補植苗角に集りこそ談議
☆水鏡銀閣寺苑簡素の美
☆肉まんのような娘と褒め上手
※エンヂンのかゝりが遅く妥協する
☆積み溜る不快指数の五月病
☆天と地の交信終り花は咲く
☆結局は終生何か探しもの |
1988年 3月
☆一流をめざして励む寒稽古
☆陸橋から雷族を釣ればよい
☆兜町火中の栗をあさる影
☆浪花節うなる気持に露天風呂
☆美しく老いる戒め明日もある
☆それなりの貌で教える百羅漢
※しがらみをすべて忘れて一人旅 |
1988年 9月
☆鳴くばかり嘘つき蛙雨降らぬ
☆法廷の被帽は非礼あたりまえ
☆三伏の自然のしごき孫育つ
☆朝顔の松にすがって松に咲く
☆山は父海は母なり子は泳ぐ
☆頂上は勇気の梯子金字塔
☆信仰をあつめて寄進火が灯る |
1988年 4月
※生花に春の心を展示する
☆梅の花ロマンを活けて若返る
☆梅の花彩と香りの流れ川
☆乙女期の花のロマンに梅活ける
☆甘酒に身を温める梅見茶屋
☆冬五輪画像に酔うて部屋籠り
☆ものの芽の生命くれない地はふくれ
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1988年 10月
☆想い出のページふえゆく老いの坂
☆攻防を猫は賢く尾で裁く
☆登り詰め峠越ゆれば又峠
☆風鈴の短冊廻し暇つぶす
☆音無しの構えの居留守辛かろう
☆ロボットは敵か味方か追ってくる
☆サラリーマン命売ります野戦学 |
1988年 5月
☆春雨に濡れてはいろう露天風呂
☆すんなりとまとめたあとの足軽く
☆火打石猿はそれから真似しない
☆反骨の気構えそれが裁かれる
☆陽炎に子と親の間が遠くなる
☆沈丁を部屋に持ち込む妻の智恵
☆サボテンの刺はパズルの柄合せ
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1988年 11月
☆二十一世紀見えるタワーなら登る
☆裏の風表の風に躊躇する
☆朝顔の明日咲く分を用意する
☆夏痩せをよろこぶ乙女お年頃
☆幻影の夢は儚いメダル数
※雲海の渚を走る由布の馬車
☆飛び火してあちこち燃ゆる曼珠沙華 |
1988年 6月
☆年長が喜怒哀楽をおさえ気味
※鐘の音は黄河の巾を往来する
☆楊貴妃の召した料理と云えば売れ
☆ジャンボ機の金属疲労未だ残る
☆島々をつなぐ世紀の瀬戸の橋
☆藤棚の下に床几のにぎりめし
☆生き生きと発声を練る城の上
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1988年 12月
☆馬の合う人との旅路青い空
☆騎馬武者の抜刀馬の耳を切る
☆目瞑りて黙祷しばし戦友偲ぶ
☆路の蝶覚悟の仕草踏まれない
☆夏痩せて心臓負担軽くなる
☆木の実踏み心の痛む音を聞く
☆稲穂波大豆畑お磯を打つ |
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